皆さまこんにちは。
かめや和菓子部「火」チームです。
9月8日頃、「白露(はくろ)」のお菓子をご紹介いたします。
「白露」とは、草花や木に朝露が宿りはじめる頃。
日中の暑さも和らぎ、体感的にも秋の気配を感じる頃です。
今回のお菓子は、百人一首 37番、文屋朝康(ふんやのあさやす)が詠んだ歌をモチーフにいたしました。

「白露(しらつゆ)に 風の吹きしく秋の野は つらぬき留めぬ 玉ぞ散りける」
白露(しらつゆ)とは、草の葉の上で光る露、すなわち水滴のこと。
風が吹きつける秋の野原に、葉の上で光る露の玉は、まるで紐に通して留めていない真珠が、散り乱れて吹き飛んでいるようだった、という意味です。
激しい風に吹き飛ぶ水滴を、ほどけた真珠に見立てるという作者の美的感覚と、素直な表現に魅力を感じました。

秋の野原は白あんを包んだ練切で、真珠のように輝く露の玉は錦玉であらわしています。
錦玉の中には、きらきらと輝く水滴をイメージし、細かい銀箔をあしらいました。
菓銘は「珠露(たまつゆ)」。

ひとつひとつ微妙に異なる表情も、お愉しみいただけると嬉しいです。
美しい秋の風景を想いながら、お召し上がりくださいませ。
こちらのお菓子は、下記の期間に販売いたします。
・本店:9月8日(木)〜14日(水)
・京都伊勢丹店(直営店):9月10日(土)
・髙島屋京都店:季節生菓子コーナー:9月14日(水)
次回は、9月23日(木)頃に「秋分」のお菓子をご紹介予定です。
引き続き、よろしくお願いいいたします。
(かめや和菓子部 火チーム / 板山、増田、吉井、田井中)