皆さま、こんにちは。かめや和菓子部「火」チームです。
今回は11月7日頃、「立冬」のお菓子をご紹介いたします。
「立冬」は、暦の上での冬のはじまり。
木枯らしが吹きはじめ、早いところでは初雪がふります。
頬にあたる風が冷たく感じ、鍋料理などの温かいメニューがいっそう美味しく感じる季節となりました。
今回は、家庭料理の定番食材である、「れんこん」をモチーフにしたお菓子をつくりました。

一年中手に入るイメージのれんこんですが、実は秋から冬にかけてが旬とされています。
9月下旬までに田んぼの中で成長を終えますが、その後しばらく寝かせることでたんぱく質が糖に変化し、旨味が増すそうです。
ビタミンCや食物繊維が豊富で、カリウムやカルシウムも含まれており、癖が少ないので、どんな調理方法でも美味しく食べられる、万能な野菜です。
そんな親しみやすさと、素朴で可愛らしい姿を、白あんを包んだ練切であらわしました。

おせち料理にも欠かせないれんこん。
穴が開いていることから「見通しがいい」ことを意味しており、縁起物とされてきました。
有名な「おべんとうばこのうた」にも、同じように縁起がいいと言われている、筋の通った蕗(ふき)と共に登場します。

銘は、「未来に明るい兆しをもたらすように」と願いをこめて、「兆し(きざし)」と名付けました。
いびつな形や穴の配置など、本物に忠実に表現しながらも、 表面に丸みを出し、ころんとした可愛らしさを演出いたしました。
穴の部分に黄色のぼかしを入れ、霜をイメージした氷餅をまぶし、さりげなくおめかしさせています。
ぜひ、様々な角度から、愉しんでいただけると幸いです。

こちらのお菓子は、下記の期間に販売いたします。
・本店:11月7日(月)〜13日(日)
・京都伊勢丹店(直営店):11月12日(土)
・髙島屋京都店:季節生菓子コーナー:11月9日(水)
次回は、11月22日(火)頃に「小雪」のお菓子をご紹介予定です。
引き続き、よろしくお願い致します。
(かめや和菓子部 火チーム / 板山、吉井、増田、田井中)