素材も道具も限られた時代、
職人の工夫と食する人の感性で、その不足を補おうとした結実が≪見立て≫でした。
高く澄んだ夜空に美しい月のかかる季節。
昔人は日常の菓子一つにも風流の心をこめて遊んだのです。
柔らかく蒸しあがった純白の餅は月の輝きに、
小豆の餡は月を縁取る夜空に、それぞれ≪見立て≫て。


道明寺と砂糖と塩を混ぜて蒸します。

蒸しあがった生地を、ひとつずつ分けていきます。

餡でひとつずつ道明寺を包んでいきます。
月見だんごは3種類。
手前から『満月』、『雲が完全にかかった月』、そして『雲から顔を出した月』です。
うちの店では、一番奥にある『雲から顔を出した月』を昔から作っています。
販売は、JR京都伊勢丹地下1階支店では9月20日(火)まで、
四条堀川の店頭(仮店舗)では9月15日のみです。